家を建てる人に

学生時代には建築家になることを夢見ていました。中学の恩師は美術の先生で、後にU市の教育長にもなった方でした。K先生のもとで建築のもつ総合芸術を教えられると、建築家への道を選び、U工業高校の建築科に入りました。F君に声をかけられた時も、製図の自習中でした。

卒業の時に推薦書をもらって、身の程知らずにも、ゼネコンの就職試験を受けました。不合格の通知をもらった時、非常に落胆しました。

訪ねていったところが教会でした。神さまを恨めしく思いましたが、文句が言えません。まだ訴える祈りを知りませんでしたから。それで神父さまに愚痴りました。

U師は慰めてくれましたが、心が晴れません。U師は「石材や木材で立てる建築家も良いけど、霊的な建築家になるのも素晴らしい職業だよ」と言うのです。神学校への道を暗示したのです。しかし、私は、ぜんぜん思ってもいませんでした。

M師も、しばらく教会で働いてU師の手伝いをしてはどうか、と提案してくれました。軽い気持ちで、U師の手伝いとして、A市の教会に住み込みました。これが2番目の教会との出会いです。

K先生との出会い、M師やU師との出会いも、私の人生に大きな影響を与えました。神さまの話す言葉は、いろいろありますが、出来事と出会いは、その現代語です。後日「神様は曲がった道具で正しく書く」という言葉を知りました。私は、曲がった道具ですが、神の家を管理する仕事をさせていただいていると、感謝しています。

次回に続きます。