パスポート

1ヶ月前に、長い間忘れていたパスポートを突然思い出しました。それで久しぶりにパスポートを見てみると、表紙は厚く、黒っぽい赤色の上に金色で『 BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND 』(ドイツ連邦共和国)と印刷されています。中を開くと英語。フランス語・イタリア語の欄は、私には分かりませんが、小さな字で何かを書いています。EUのためでしょうか、パスポートも昔とは変わって来ました。

60年前に日本に来た時は、ドイツは西と東に分かれていたので、私のパスポートは西ドイツからのものでした。1989年、西と東のベルリンの壁が取り壊されて、次の年の1990年憲法上もドイツは1つになったのです。ようやく第2次世界大戦が終ったことになります。その5年後、私はベルリンの修道院を訪ねた時に壁のあった所を見に行って来ました。壁は、ところどころ小さく割れて残っていました。その壁に芸術なのか、いたずらなのか、私には分からない絵が書いていました。その絵を見ているベルリンの人たちも、旅行者も自由を感じるのでしょうか、喜んでいるようでした。

パスポートの話に戻しますが、私が来世に行く時は、誰が私の保証人になりパスポートを出すのでしょうか。故郷のドイツか、日本が長いので日本か、フランシスコ会で長い間働いていたのでフランシスコ会か、あるいは信徒会か、どれも違うでしょうね。私たちの保証人はキリストです。キリストが出すパスポートを持って天国に行くのです。ヨハネの黙示録3章の5節にキリストはおっしゃっています。『私は、その名を(私たちの名)生命の書から消すことは決してしない、父のみ前でも天使の前でも、その名を公言する。』と書いています。本当に幸せなことです。

去年の12月中旬に、私はストックをついて散歩していた時に、学校帰りの小学1年生ぐらいの男の子が私の側に寄って来て「だいじょうぶですか?」と声を掛けてくれました。「だいじょうぶ、ありがとう。」と答え、少し歩いてから部屋に戻り、男の子の事を考えていると、ふとキリストは私たちが死を迎える時に『だいじょうぶだよ、待っているから。』とおっしゃると思いました。

投稿者プロフィール

Fr.Bauer Dominicus
Fr.Bauer Dominicus
ドミニコ司祭(アロイス・バウア・ドミニコ) ドイツ生まれ
フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』2024年7月20日帰天

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