この聖歌69番は、フランシスコ 山本直忠先生の作曲したものです。この聖歌のおおもとは「日本26聖殉教者」の映画主題歌でした。大河内伝次郎主演と言いますから、大昔の映画です。

山本直忠先生は、戦争を逃れて滞在していた群馬県から上京して、東京は四谷の聖イグナチオ教会に、ふと立ち寄ったのだそうです。その姿をちょうど聖堂から出てこられたホイベルス神父さまが見かけて「ああ、あなたの歌が聖歌集に採用されています」と声をかけたのだそうです。良いタイミングでした。私は、このお話を先生から耳にしました。

山本先生は、指揮者、作曲者として昭和の初めから活躍しておられた方です。息子さんが直純さん、この方もテレビ番組やコマーシャルで活躍されて有名でした。山本直忠先生は群馬交響楽団の創立に尽力された方で、また初代指揮者でした。映画「ここの泉あり」でも知られた方です。

1950年(昭和25年)に受洗されてカトリックとなりました。洗礼名として、アシジの聖フランシスコを選ばれています。後年「フランシスコの平和の祈り」を作曲されました。在俗フランシスコ会の会員になっておられました。この歌「フランシスコの平和の祈り」も、もっと歌ったらよいですね。

「ああ、主よ、われらいま 御身の平和の道具にならしめたまえ」
神よ、わたしをあなたの平和の道具にしてください。
憎しみのあるところに、愛を  いさかいのあるところに、ゆるしを
分裂のあるところに、一致を  迷いのあるところに、信仰を
誤りのあるところに、真理を  絶望のあるところに、希望を
悲しみのあるところに、喜びを
闇のあるところに、光をもたらすことができますように。

アシジの聖フランシスコは、いつの時代でも、どの国でも、モデルのような聖人です。学んでみませんか!