8月23日から28日まで、海外宣教委員会の仕事で、フィリピンのフランシスカン・デフセンター(ウエスタンサマール・カルバイヨグ市・以下センター)とデフセンターの理事長を務める佐藤宝倉神父(マニラ・デフセンター)を訪問しました。

23日マニラで佐藤神父と会談し、翌日、カルバイヨグのセンターを訪問しました。ここは学生寮(女子学生)と教室のある施設です。遠方から来ている男子学生は、センターの至近距離にある下宿からクライストキングカレッジ付属小学校、中学校、高校(以下CKC)に通学し、放課後センターで夕食を済ませて下宿に戻ります。毎年訪問するたびにセンターは、設備やプログラム、カリキュラムが整備されています。これは、センターのスタッフの努力と多くの人の支援の賜物でもあります。

今回も奨学金受給者の集まりがあり、ミサと懇談の時間を持ちました。学生も保護者も参加し、保護者会代表、学生代表から皆一様に感謝の言葉とともに今後も支援の継続の訴えがありました。
カルバイヨグ市内及び管内には公立の聾学校の中学高校がないため、上の学校に行くためには
CKCに行かざるを得ませんが、CKCは私立のカトリック校で、奨学金を受給しないと通学できない家庭がほとんどです。そのため、給付型の奨学金は大きな意味を持っています。

今年大きな出来事としては、高校卒業後の進路のために技術習得を目指し織物機を導入した成果が少しずつ表れてきた点です。以前、訪問した際に研修後の作品を見せてもらいましたが、個人差が大きかったのですが、現在は、土産物店に内職を発注してもらえるレベルの卒業生が一人二人と出てきています。

さて、マニラのセンターについてですが、大きな進展がありました。マニラのセンターは地方出身で、カルバイヨグに行く予定の小学生の予科のような役割と教員養成と資格取得のために学ぶ聾者、教員候補者が共同生活をする場所です。

現在、聾者で聾学校の教員資格取得を目指す大学の学部に編入1年目のCKCの卒業生2名とケースワーカー取得を目指すために大学の専門学部に編入した一人が学んでいます。

こうしたケースが最近増え、CKCから専門学部へ資格取得または、一般大学からマニラのセンターで資格取得後カルバイヨグのセンターに派遣された教員がCKCで教え、センターで学生の世話をするなど、人材育成や佐藤神父の後継者が育っており、現在佐藤神父はマニラーカルバイヨグ間の往復の生活から、後継者育成とセンター運営に専念できるようになっています。

今年の訪問では、支援継続の必要性とともに、学校卒業後のプランの具体化や人材育成が軌道に乗っている様子を観ることができたことが大きな収穫でした。

投稿者プロフィール

Fr.petero Abe Keita
Fr.petero Abe Keita
ペトロ阿部 慶太司祭
フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』

2020年 4月13日 東京六本木修道院へ赴任されました。
これまでの投稿をこのまま掲載いたしますので皆様どうぞご覧ください。