夏休み期間に、日本の各教区で行われるものに「平和旬間」があります。8月は、広島、長崎の原爆記念日、そして、終戦記念日という戦争で亡くなった人々を追悼し、平和を考える日が多いので、この時期に実施されています。札幌教区内でも様々な集まりが予定されています。

この、「平和旬間」は、単に追悼や平和を祈るだけでなく、戦争による悲劇がなぜもたらされたのか歴史的な証言を聴き、平和のために何が出来るのかを考えるプログラムも行う教区や地区もあります。

さて、戦争体験を持つ人々は今の日本社会の中で高齢者です。その多くが70代後半以上の世代です。そのため、こうした人々は年々減少の傾向にあります。それだけにその証言の一つ一つが貴重なものといえます。 こうした語り部が減少してゆくということは、語り伝えられる記録が失われていくことでもあります。

10年ほど前、フランシスコ会の長崎修道院を訪問した際に、被爆体験のある故・冷水義美師から、原爆投下前の修道院周辺の写真と原爆投下後の写真を見せてもらい、説明を聞いたことがあります。

当時、小神学生だった冷水師は、原爆投下の日、爆心地から少しはなれた軍事工場で勤労奉仕をしていて助かったことや、爆心地へ戻るのに苦労したことなど、やはり体験者の持つ証言には、文章などでは表現できない臨場感や心に突き刺さるものがありました。

長崎に限らず、北海道内でも発掘すれば様々な証言を聞くこともまだまだできるのではないかと思います。毎年やってくる平和旬間ですが、今後はそうした聞き取りなども考えていく必要があると感じます。

投稿者プロフィール

Fr.petero Abe Keita
Fr.petero Abe Keita
ペトロ阿部 慶太司祭 フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』 旭川地区助任司祭