ロザリオの貯玉について
うっかりしていて、わたしが今月の巻頭言の当番だったことを忘れていました。大急ぎで書けることは何かと考えたら、わたしがふだん大切に思っているミサと聖体についてか、あるいはロザリオの祈りについてだと思いました。ロザリオは教会が大切にしてきた信心です。わたしにとってロザリオは、毎日飲んでいる薬と同じように大切なものです。サプリメントや健康食品とは違い、どうしても必要なものなのです。わたしがロザリオの祈りを大切にし、毎日祈るようになったのは、今から15年くらい前、留萌にいた頃です。神学生のときから仲良くしていた大分のトラピスト修道院の神父さんに、留萌の活ホタテを贈ったところ、その神父さんからの礼状に「山本神父さんのためにロザリオ100本」と書いてありました。それまでわたしは、一人のためにロザリオ100環の贈り物など考えたことが無かったので驚きました。そして、司祭が人にお礼や霊的花束を贈るのに、いちばん相応しいものはロザリオの祈りだと気づきました。その頃からわたしはロザリオをたくさん祈るようになりました。お世話になった方が入院したので退院する日まで毎日一環。知り合いのシスターの終生誓願式のお祝いに50環。親しい信者さんの霊名の祝日に5環。誕生日に5環。と祈るようになりました。毎日一環を祈る約束をした方もいましたし、50環、100環とまとめてたくさん贈った人もいました。たくさんの霊的花束のためには当然、ロザリオの数を間違えずに記録することが必要です。むかし、わたしはパチンコが大好きでした。パチンコ屋さんには、景品に交換した残り玉を貯玉するシステムがありました。ロザリオの祈りをたくさん祈るようになったころ、もうパチンコから足を洗っていましたが、わたしはロザリオの珠の貯珠を考えました。毎日「正」の印を記録するだけですが、使ったら誰のためと日付を入れて、/線を入れていきます。貯玉は大好きだったパチンコ玉からロザリオの珠に換わりましたが、ロザリオの貯珠になってからは、お金を損することなく、恵みが増えるようになりました。
司祭には多くの人から祈りの依頼があります。お祈りを頼まれた時や何かのために祈る必要がある時、わたしはみんなロザリオの祈りにしています。以前、ピエトレルチーナの聖ピオ神父の伝記を読んだら、聖人は一日にロザリオを60環祈っていると書かれていました。どのようにして60環になるのか分かりませんが、わたしはいつも、ラテン語の祈りを使っています。この方が速いし、よく考えることができます。独りで車を運転する時はたくさん祈ることができます。旭川から札幌へ行って帰ってくると、15環くらいできます。わたしは速く歩けないので、神居の修道院のわたしの部屋から建物の真ん中の小聖堂まではロザリオが2連できます。さらに建物の反対側の食堂まではもう2連できます。大きな建物の中をのろのろ歩くので修道院にいるだけで、けっこうロザリオが貯珠できます。それからどうしても一連や一環にまとまらない、半端な祈りが出ることが毎日たくさんあります。そういったロザリオの切れ端は、お祈りを頼まれた病人のためと神学生のために使っています。
ロザリオはルルドでもファチマでも聖母マリアがすすめられた祈りです。簡単でも奥の深いものです。奥が深いので、これからもますますその深みにはまっていくつもりです。
投稿者プロフィール
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ヴァレンチノ山本孝司祭
フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』 旭川地区協力司祭