旭川修道院の兄弟共同体は4人とも80歳代で、文字通りの後期高齢者の共同体で宣教司牧を行っています。実は、日本の教会は同じような状況ではないでしょうか。信徒の高齢化も進んでいますので、なかなか光が見えてきません。そんな中で私が今心に描いていること、いろいろ思いめぐらしていることを書いてみました。

私の場合、これまでは、高宮、生野、帯広の教会で一人で司牧していた時と、北浦和、釧路、旭川の修道院に共同生活しながらの宣教司牧でしたが、場所や形態よりも、80歳を超えると、やはり高齢化が大きな課題と感じています。特に、認知症の障害1と認定され、ショックでした。不眠症も気になっています。眼科、耳鼻科、歯科、ペインクリニックなど病院通いが日常で、いろんな薬や健康食品のお世話になっています。

旭川に来てからは、自動車の免許を返還したこともあって、昼食後の散歩が日課の一つとなりました。近くの神居公園や、美瑛川の堤を歩いています。おかげで、小さな花や鳥や虫が目に留まるようになりました。

共同宣教司牧というほどのことではないのですが、旭川市内の4つの小教区と富良野の教会の主日のミサや、平日の修道院での毎朝の共同の祈りとミサ、自転車で、10分で行ける聖ヴィアンネ会のミサがあります。二つの幼稚園で月に二回、神さまのお話を、スライドを使って行っています。少しユニークなのは、ズームで月二回、聖書の分かち合いをしています。これまで、黙示録と使徒言行録、現在はヨハネの福音書を読んでいます。いつも準備不足で参加者に申し訳なく思っていますが、私にとっては楽しみな皆さんとの分かち合いの場です。

若い時の、大阪生野での共同宣教司牧は在日韓国人の信徒が多くて、特に、在日1世の*ハルモニ達のために、韓国人シスターに韓国語を習い、韓国語でミサを捧げたことを懐かしく思い出します。現在はベトナム人信徒の方たちが増え、ベトナム語での「主の祈り」を教えてもらい、ミサの時に唱えるのが精一杯です。

外に向かっての宣教はほとんどできていません。2年前に、50名近い方が参加され、神楽岡公園に集合し、クリスタル橋~神楽橋迄の両岸と、神楽岡公園から東に大正橋付近までの3班に分かれてプラスチックごみを中心に「春の川クリーンウォーク」に参加しました。

もう一つは、原発反対の講演会に参加したことです。これは、北海道寿都町や神恵内村で行われようとしている、「核ゴミの地層処分に反対する宗教者ネットワーク」の主催で、「核のゴミと謂れなき犠牲の押し付け」に反対する講演会で、JR旭川駅のそばにある、真宗大谷派旭川別院で開かれました。講師の小出裕章さんは、東京電力福島第一原発事故が起きる三十年以上前から、研究者の立場で原発の危険性を指摘し続けてこられた方です。

(詳しくは、カトリック神居教会のHPムジゲの便り:「二つのごみ対策について」をごらんくだい)
*「ハルモニ(할머니)」韓国語で「おばあさん」や「おばあちゃん」、「祖母」の意味です。

 

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投稿者プロフィール

Fr.Nakamura Michio
Fr.Nakamura Michio
クレト中村道生司祭
フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』 旭川地区 旭川フランシスコ修道院 助任司祭 (旭川五条・旭川六条・神居・大町・富良野)
Telephone=070-5432-1694 
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