この次の日曜日は市内の合同ミサの日なので、わたしは説教を作らないので楽が出来ると考えていたら、今朝、巻頭言を書く時期です。と知らせてくれた人がいました。わたしはいま車を手放したので外に出歩くこともなくなり、施設の中のいつも決まった人の顔を見て、職員の世話を受けながら生活しています。月に二回お医者さんが訪問診療に来てくれて、最近は血液検査のデータも良好で、元気にしています。わたしには今、時間がいっぱいあって、祈ったり考える時間がたくさんあり、ありがたいことだと思っています。入居者の中には一日のほとんどを食堂の自分の席に座って過ごしている人たちがたくさんいます。わたしは食事以外はほとんど自分の部屋で過ごしています。片手しか使えないので、本を読むことは苦手です。しかし、部屋にWi-Fiのルーターをつけてもらったので、毎日自室のテレビで動画配信サイトを見ています。ルルドのロザリオの祈り、バチカンやロレートのミサやロザリオの動画を見ながら一緒に祈りを唱えることができます。またわたしの好きなテレビは動物の番組です。先日3月15日の「ダーウィンが来た」で、オーストラリアのシドニーで、落ち葉で巨大な「塚」を作るヤブツカツクリの番組がありました。この番組が面白かったので少し紹介します。この鳥のオスは七面鳥のような姿ですが雉の仲間で、ふつう鳥は卵を抱いて自分の体温で温めますが、ヤブツカツクリのオスは繁殖期になると落ち葉を1か所に大量に集めて巨大な塚を作ります。その巣にメスが卵を産んでいくと微生物が落ち葉を分解するときに発生する熱で塚の内部を温め、卵をかえします。
オスは塚の温度が低いときは微生物の働きを活発にさせるため塚に穴を開けて空気を送り込んだり、塚に追加の落ち葉を足し続けたりと温度を保つための手入れに励みます。
孵化したヒナは、自力で塚を掘り進んで地上に出てきます。親の助けを借りることなく、数日後には飛べるようになり、すぐに独立した生活を始めます。ヤブツカツクリのヒナは鳥類で唯一、親の世話を受けずに成長します。ヤブツカツクリの卵は栄養となる卵黄が豊富なため、卵の中で大きく成長し羽毛もしっかり生えた状態で外へ出てきます。食べものを探しながら街の中を移動していくヒナ。こうしてヒナが新たな場所へ進出することでヤブツカツクリは分布を拡大できたと研究者は言ってます。番組では、ヤブツカツクリのユニークな暮らしぶりと、彼らを受け入れ、ともに暮らそうとするシドニーの人々の姿が紹介されていました。いまシドニーでは市内の公園や住宅地でたくさんの塚ができていて人々は暖かく見守っているみたいです。かつてヤブツカツクリはシドニー周辺で絶滅の危機に追い込まれていました。それはもともと住んでいたユーカリの森が、およそ200年前に本格化した開拓によって失われたためでした。ところが1950年代から自然を守る方針が打ち出され、街に緑が復活。特に塚の材料となる落ち葉を大量に落とすユーカリの木が積極的に植えられたため、ヤブツカツクリは分布を拡大し街中に進出することができたそうです。この番組を観て、日本の最近の熊の問題も、人間と熊がうまく共存できる方法がないかと思いました。ヒナの世話をまったくしない親鳥とそれでも雛が逞しく巣立っていくヤブツカツクリの番組を観て、人間は育つまでに手がかかること、さらに信仰はもっとたいへんで、周りの人たちの祈りと愛情がなければ育たないことを考えました。
投稿者プロフィール

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ヴァレンチノ山本孝司祭
フランシスコ会 日本管区『小さき兄弟会』 旭川地区協力司祭
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