今日は聖ヨセフの祝日ですが、共同回心式があるので、かんたんに話します。教皇ヨハネ・パウロ2世は、今から25年前、1991年に「救い主の守護者聖ヨセフ」という使徒的勧告を出されました。

その序文に『かつて聖ヨセフは愛をこめてマリアの世話をし、喜びをもって献身的にイエス・キリストを養い育てました。その聖ヨセフが、今も同じように、キリストの神秘体である教会、聖なるおとめマリアを理想像、模範と仰ぐ教会を見守り、保護しています』と述べ、本文の中では、福音書の教えからみた聖ヨセフ、神の神秘の守護者である聖ヨセフ、正しい人―配偶者である聖ヨセフ、労働は愛の証拠、内的生活の優位性、現代における教会の保護者、という6つの章で聖ヨセフについて述べています。聖ヨセフは教会の保護者であるだけでなく、わたしたちの優れた模範でもあります。

 聖ヨセフは大工さんでした。人から信頼される確かな仕事をする職人さんだったと思います。あまり目立つことはせず、神のみ旨とわかったときにはすぐに従いました。

わたしはイエスが山上の説教で、「何事でも人から自分にしてもらいたいと望むことを、人にもしてあげなさい」と言われていることについて、父親の聖ヨセフが、いつも職人としてお客さんの望むような仕事をしていたのを見ていたので、このような言葉を言われたのだと思います。

職人には頑固な自分のポリシーを持つような人も多いと思いますが、聖ヨセフはいつもお客さんのニーズを尊重していて、満足度の高い仕事をこなす方だったと思います。幼稚園で子どもを見ればある程度その子の家庭がわかります。聖家族は神様が第一で、人が喜ぶことを大切にしていた家族だったと思います。イエスの弱い人に対する態度、神に対する態度、祈りを大切にする姿勢などは、家庭の中で育まれたものだと思います。その家庭の大黒柱が聖ヨセフでした。

 今日はこれから共同改心式です。神様の思いより、自分の思いを大切にしていたことを反省し、手短に、いさぎよく告白してすっきりして、またしっかり歩んでいってください。