今日の福音は十人の乙女のたとえ話です。イエスは誰にでも分かる当時の婚礼の話しをして、人の子の到来の時にどうしていなければならないかを話しています。当時の婚姻は二段階に分かれていて、まず婚約して夫婦とみなされ、その後で花婿の家で披露宴が行われて、結婚が成立したことになったようです。イエスは神の国の完成を披露宴にたとえて何回か話しをしています。今日の話では、花婿が花嫁のところに迎えに行き、花嫁の友だちも一緒に行列をして花婿の家まで行ったみたいになっています。ところが花嫁の友人の五人が愚かで、ともしびの油を用意していなかったので、披露宴の会場に入れてもらえなかったのです。今日の話は人の子の到来の時の話ですが、これはわたしたちのいのちの終わりの時と考えることもできます。婚宴のたとえでは礼服を着けていないとか油を用意していない理由で入ることを拒絶される話が多いですが、わたしは厳しいことを言わないで少しくらい許してくれてもいいのではないかと思います。でも神さまは、最後にはコネやツテで入れてくれないのですね。わたしは親戚に神父やこんな有名人がいると言ってもダメみたいです。またわたしは昔は教会に行ってました。お祈りもしてました。と言ってもダメみたいです。少しお目こぼしがあっても良さそうですが、審査は難しいみたいです。あなたが集めた油(これは祈りや愛の行いです)が計算されます。体脂肪や皮下脂肪ではダメなんですね。10人の乙女なら、中には心優しい乙女もいそうなのに、5人しか入れてもらえません。これが10人の老人だったらもっと入れない人が多くなりそうですね。
天国は幼子のようなものたちがまず審査をパスするみたいです。戦争をしなければならないと考えるこの世の指導者たちはみんな審査で落とされると思います。いまパレスチナの戦争のことで、世界中の人が嫌な気持ちでいます。一方的に力のある方が、相手がどこにも逃げられないようにしています。ガザ地区の人たちを袋のねずみ状態にして袋叩きにしています。国力や経済力からみてこれは明らかに大人と子供の喧嘩のようなものです。力のある大人が、子供と同じような理屈を言っていては話になりません。日本の政治家は何も言いません。教皇様や教会は、遠慮なく戦争は愚かなことと発言しています。世界中の宗教の指導たちがもっと大きな声を上げるといいように思います。
だから目を覚ましてよくみていましょう。そして亡くなった人やこの世界の指導者たちのために祈りましょう。先日、わたしがたいへんお世話になった方が亡くなりました。この方の娘さんはカルメル会のシスターになっています。最後は自宅で介護していた娘さんに看取られて亡くなったそうで、「今も死を迎える時もお祈りください」っていつも祈っていたので家族に看取られて旅立つことができたのだと思いました。今月は死者の月です。自分の死も考えた生活ができるといいですね。*(Ka)
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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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