今日の福音は有名な「タラントンのたとえ」です。このたとえは、受難と死と復活の直前の最後の時にイエスがされた説教の一部です。ある金持ちが旅行に出かける際に、長期間の留守を見越して、自分の財産を三人のしもべにあずけます。最初のしもべには5タラントン、二人目のしもべには2タラントン、三人目には1タラントンを預けます。主人は「それぞれの力に応じて」分けたと語っています。神はわたしたちがだれも同じではなくそれぞれの能力に応じて賜物を与えてくださいます。タラントンはお金の単位です。1タラントンが6000デナリオン、1デナリオンは1日の日当に相当するので、1タラントンは約20年分の賃金に相当する金額です。今の聖書ではタラントンとなっていますが以前はタレントの単位が使われていました。タラントンは大きな金額なのに、なにか不足して足りない(足らん)といった響きがありますね。

主人が留守のあいだ、最初の二人のしもべは、忙しく働き、預かった額を二倍に増やしました。しかし三人目のしもべは失敗を恐れなにもしないでタラントンを穴に隠していたので、増やすことはできませんでした。そして「ご主人さまが厳しい方なので失敗を恐れてなにもしなかった」と言い訳をします。彼は主人の「厳しさ」を非難して、自分の怠慢さを自己弁護します。

今日は「貧しい人のための世界祈願日」にあたっています。神さまは、「貧しい人に手を差し伸べなさい。」と今日呼びかけています。わたしはなにも持っていないです。お金持ちの人たちはたくさんいますと、逃げてはいけないのです。マザーテレサならあなたの笑顔や微笑みを与えることできますと言いそうです。

わたしたちは自分は少ししか持っていないので、なにもできないではなく、神さまからたくさん与えられていることを考えましょう。これしかないではなく、こんなにもたくさんあることに気づく心を持ちたいです。マイナス思考になるとどんどん心が萎んでいきます。ただで受けたのだからただで与えていこうと考えるとさらに心は豊かになります。

テレビで紛争地域の瓦礫の中を逃げ惑う人たちの映像を見ると、わたしたちは、平和な国に住んでいて、食べるものがあり、住む家があることをありがたく思います。でも困難にある人たちのことを考え、祈りの他に何かできることを考えましょう。

先日テレビのインタビュー番組にタレントの黒柳徹子さんが出ていました。彼女は今年90歳ですが、まだまだやりたいことがたくさんあり、すごく前向きな生き方をしている方だと思いました。トーク番組の「徹子の部屋」は今年48年目だそうです。彼女は、おとなしく老後を過ごすつもりはないと言ってました。わたしたちも自分はまだまだできることがあって神さまはそれを期待していると考えましょう。*(O)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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