今日の福音のテーマは神の招きです。神はすべての人がご自分のもとに来られるように手を広げて招いておられます。神の招きの特徴は、無償、拡大、普遍です。イエスの頃のユダヤ人は何度も預言者たちの招きを拒み、最後にはイエスを殺してしまいます。先週日曜日バチカンのお告げの祈りの時に、教皇フランシスコは、突然の暴力に見舞われ多くの死傷者を出したイスラエルとパレスチナの状況に憂慮と悲しみを表し、テロリズムと戦争は無実の人々の死と苦しみ以外何ももたらさないと呼びかけ、イスラエルとパレスチナ間の平和を祈られました。今月初めの1日のお告げの祈りの時にはウクライナをはじめ戦争に傷つくすべての地のために、またシノドスのためにロザリオを祈って欲しいと話されました。その後でアフガニスタンで大きな地震が起こりたくさんの人が亡くなりました。そしてさらにイスラエルとハマスの争いです。自然の災害だけでも大変なのに、人間が起こす災いがこれに加わっています。

先日夜遅くNHKの番組で、国連難民高等弁務官で活躍された緒方貞子さんの番組を放送していました。彼女は紛争地域にいちばん大事なのは人の命という理由でどちらの陣営につくのでもなく紛争や内戦状態の中に飛び込んで行きました。今の時代、損得勘定で争いのどちらかにつく国が多いですが、わたしたちの日本はアメリカのすることであっても、クラスター爆弾など、人道上ダメなものはダメだとはっきり発言しなければならないと思います。ウクライナに武器援助している国は、武器を売って儲かっているわけです。どちらかの味方をするのではなく、戦争そのものに反対と言える国にならなければと思いました。

今日の福音では、神さまは婚宴に招待された人が皆断ったので、さらにだれでもいいから連れてくるように命じます。神はすべての人を救いたいのです。教会に関わりがあり、ミサにあずかっているわたしたちは、この招かれた人のなかに入っています。聖アウグスチヌスは「婚礼の礼服」は「生涯に示した愛」のことだと説明しています。わたしたちは神と隣人への愛という二本の糸で、自分の婚礼の礼服を織りあげます。そしてこの礼服を着てキリスト者としての証しを自分の置かれた場所で表していかなければなりません。

もう来年のカトリックカレンダーが発売されていますね。わたしは毎年、自分の部屋にはドン・ボスコ社のカレンダーをおいています。来年のカレンダーを見ていたら、今年までは毎月の決まったスペースに聖書のことばが載っていたのですが、来年のものにはそこは聖人たちの言葉に代わっていました。4月には、マザーテレサ(コルカタの聖テレサ)の「あなたたちは、イエスの語りかける愛情のこもった言葉を聞いたことがありますか。恵みを求めなさい。イエスは恵みを与えたくて仕方がないのです。」という言葉でした。これは今日の福音の、神さまがどうしても婚宴を人でいっぱいにしたかった話しと同じだと思いました。人間が愚かで恩知らずであっても、神さまは皆んなを救いたいのです。また8月には、「私の神よ、あなたを愛しながら、また、あなたを愛していることを自覚しながら世を去る恵みを、どうか私にお与えください。」(聖ヨハネ・マリア・ビアンネ)という言葉が書いてありました。この聖人のように人生を生きることができれば、どんなにか幸せなのかと思いました。*(ka)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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