今日は復活節第五主日です。今日、5月15日は1972年に、沖縄本土復帰50年の記念日でもあります。戦後沖縄が却ってきて、その次は北方領土かなと期待したものの、北方領土の方はロシアの戦争のせいで、益々返還は難しくなった感じがします。

今日の福音はイエスが使徒たちに「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。」と言われた箇所です。イエスは「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」と言います。イエスがどのように弟子たちを大切にしたかは、福音書の中に見つけることができます。裏切られても見捨てることなく、自分のいのちを差し出すまでにして愛に徹しました。復活の後では岸辺で魚を焼いて弟子たちに食べさせています。弟子たちには「信じない者ではなく信じる者になりなさい」と言ってます。いまの世の中を考えるとイエスがガッカリすることばかりのような気がします。

3月の末にローマ教皇が、ロシアのウクライナ侵攻に関連しロシア正教会の最高指導者であるキリル総主教に対して、プーチン大統領の「侍者になるな」と叱責する発言をした二ュースがありました。教皇は、宗教指導者は「政治の言葉ではなく、主イエスの言葉を使わなければならない」と諭したようです。今のロシア正教会は単なるロシア人のための民族宗教になってしまい、世界の人々を導く役割を果たしていません。

先日、5月13日はファチマの聖母の記念日でした。ファチマで聖母はロシアの回心のため祈るように勧め、ロザリオの祈りをするように願いました。ファチマの聖母出現は1917年のことでした。その時から120年ちかく経っても、まだロシアのことが問題になっています。これはわたしたちの祈りがまだ祈り足りないことを証明しているようです。

戦争は民族や宗教、国連の仕組みや世界経済の問題ではなく、人間が平和な心を持っているかどうかに関わっています。わたしたちがもっと祈りの心を持つことが必要です。近ごろわたしは「聖フランシスコの平和の祈り」について考えることが多くなりました。愛されることよりも愛することを、理解されることより理解することを、この精神が忘れ去れたので、悲しみのあるところに、悲惨が、分裂のあるところに戦争が起きてくるのだと思います。人間はもっと平和な愛や慈しみの心を持たなければ、世の中はいつかは滅びてしまいます。教皇さまは今月初めに、「聖母月は平和のためにロザリオを祈りましょう」と勧めています。ロザリオはある程度、時間のかかる祈りですが、その時間は祈る人は神さまの方を向いていることになるので、神からの恵みが与えられます。ロザリオの祈りはギスギスした人間関係やガタガタした心に、神の慈しみの潤滑油をさしてくれる祈りになります。もっと愛せるようになるためにも、祈りは大切です。*(5)

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