今日の福音はイエスが12使徒を宣教に遣わすにあたって、心構えを述べているところです。コロナ禍の現代、わたしたちが出かける時は、不要不急の外出を避け、マスクをつけ、人混みは避け、帰宅後はうがい手洗いを忘れないように気をつけます。

イエスはご自分の行ってきたこと、すなわち神の国の到来を告げること。悔い改めて福音を受け入れることなどを、12人の弟子たちに、病人を癒す権能をつけて訓練に遣わしました。そしてその時の心構えとして、お金や物に頼ることなく、人の善意をありがたく受け入れること。受け入れてくれない場所ではいさぎよく撤退するようにと教えています。

使徒たちはイエスに共感し、自分の仕事や家族から離れて従った人々でしたから、神の国を伝えることが彼らの第一の務めでした。

わたしたちは、キリストに従っていますが、使徒たちとは違い福音宣教のために召されてはいません。

しかしそれぞれが自分の人生に何かの役割を負わされています。人はみな独創的でその人しか生きられない人生を与えられています。わたしたちひとりの人生は、わたしたちひとりだけの人生ではなく、他の人々のための人生でもあります。自分の人生をしっかり生きることは、他の人の役に立つことにもなります。

わたしは最近、89歳の鈴木秀子シスターが書いた「機嫌よくいれば、だいたいのことはうまくいく」というタイトルの本を買いました。面白い本で、人生は折り返し地点からが醍醐味。比べない、とらわれない。老いを恐れない。楽しみはこれから、ゴールは「いい人生」だ!。死との向き合い方、心の持ち方、毎日の習慣について書かれていました。

家にこもることが多く我慢して暮らすこんな時代だからこそ「上機嫌で生きる」ことが大切です。機嫌よくとは心穏やかにいることで、人と比べて自分を飾ることなく、何かにとらわれてイライラしたり、気を遣うこともなく、老いを恐れずに自然体の自分でいることです。自分がしあわせでいる人は、周りの人にしあわせを届けます。不機嫌の芽が出てきた時は素早く摘みとること。そしてこの本は4つの章からなっていました。1.小さなことを面白がれば人生は大成功。2.日々機嫌よく、心を整えるコツ。3.大切な人との別れ、悲しみを生きる力に変える。4.いつかくる死。終わりがあるから一生懸命になれる。

人それぞれに役目があります。起こってくることは中立です。起こってくることに良い悪いはありません。その人の受け止め方がしあわせや不幸を決めます。それをどう受け止め、どう使うかは一人一人の選択です。誰かにしあわせを届けることが、自分の人生の大きな役割だということにたくさんの人が気づいて欲しいと思います。わたしたちが出かけて行って実を結ぶことは、自分に固有の役割に気がつくことから始まるように思います。

「機嫌よくいれば、だいたいのことはうまくいく」
Sr.鈴木 秀子 著(かんき出版)