今日は四旬節の第4主日です。今日は一年に二回だけ使うことのできるバラ色の祭服を着ることができます。この色の祭服を持っている教会は殆どありません。昔、ここの五条教会にいた神父さんの誰かが、典礼を大切に考えていたので揃えてくれたのだと思います。
典礼祭儀の際に使用する祭服、ストラの色は、教会の伝統に従い、典礼暦の周期(季節、年間、祝祭日など)によって用いられる色があります。通常は白、赤、緑、紫の4色で、その他に黒、バラ色、などがあります。
司祭が自分の好きな事に惜しげもなくお金を使っていても、典礼に無関心なら、紫の祭服があれば充分だと考えて、高いお金を払って、バラ色の祭服を揃えてくれません。昔ここの教会にいた典礼を大切にした神父さんのおかげで、今のわたしたちの典礼がより豊かになっているのです。
バラ色は喜びの色といわれています。
― “ガウデーテ”(喜びなさい)という特徴のある待降節の第3主日(喜びの主日と言われています)と、
“レターレ”(歓喜しなさい)という特徴のある四旬節第4主日(バラの主日と言われています)に、用いることができます。
紫で表現されている償いの時期をすこし弱め、荘厳な喜びの時が近づいていることを示しています。
その他の色には金色とブルーがあります。わたしはまだブルーの祭服を見たことがありませんがマリア様の祝日に使う色のようです。わたしは裏地がブルーのマリア様の祝日に使うストラを持っています。
これらの色は、祝われる信仰の神秘の特徴、典礼暦年の中での歩みでキリスト者としての生き方を、外面でも表現しながら、その歩みを助けていくことを目的とし、教会生活の伝統の中で大切にされてきました。
さて、今日の福音・ヨハネ3章16節には、「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである」という有名な言葉があります。この言葉は、イエス自身の言葉とも、福音記者の言葉ともとれます。このヨハネ3章16節は「聖書の教えの集約」と言われ、また宗教改革者のルターはこの3章16節を「これは小さい聖書である」と言っています。とても味わい深い言葉です。ぜひこのヨハネ3の16を心に留めて持ち帰ってください。この言葉をもっと身近なものとするために「世」という文字を「わたし」に置き換えて読むといいそうです。そうすると、神は他でもないこのわたしのために御子を遣わしてくださったことが分かってきます。
わたしたちのする祈りが、いつも「○○してください」のお願いばかりの「請求書の祈り」だけなら、神さまのお考えやなさることは理解できません。
神さまの愛やお考えは、一方通行の祈りをする人にはわかりません。共にいる、深いところで繋がる祈りがあれば、だんだんと理解できるものだと思います。そうすればもっと深みのある人になっていけると思います。聖書を読んで自分の心に留める祈りの時間を作ってください。そばにいてくれるだけで、なんかホッとできるあったかい人が教会にはたくさんいて欲しいと思います。
今週の水曜日3月17日は、日本の信徒発見の聖母の祝日です。幕末で、まだ坂本龍馬たちが活躍していたころの1865年です。1853年にペリーが来航して鎖国はおわり、日本はアメリカと条約を結び、その後オランダ、フランスが日本と条約を結びます。フランスは1864年に長崎に日本26聖人に献げられた大浦天主堂を作りました。翌年の3月17日、10数名の男女が、建てられてまもない長崎の大浦天主堂を訪れ、プチジャン神父に「わたしたちは皆、あなたと同じ心です。」と、キリスト教の信仰をもっていることを告白しました。そして「サンタマリアのご像はどこにあります?」と聞いたのです。この人々はキリスト教への厳しい弾圧を、不屈の信仰をもって耐え忍んできた人々の子孫でした。200年以上にわたって信仰を守り抜いた人々が発見されたのです。
また今週の金曜日19日は、聖ヨセフの祭日です。聖ヨセフは教会の保護者で、今年は聖ヨセフ年です。この日には聖ヨセフにぜひお祈りしてください。