今日は聖霊降臨の祝日です。聖霊が降って、弟子たちが復活の証人として立てられ、キリストの教会が誕生したことを祝います。今日はキリストの教会の創立記念日です。イエスは昇天の前、弟子たちに、「エルサレムに残り、父の約束を待ちなさい」と言われました。彼らは、イエスの復活を体験していましたが、まだ聖霊を受けていなかったので、教会とはなっていませんでした。聖霊降臨で、一人ひとりの上に聖霊が降り、聖霊によって変えられた人たちが集まって教会が誕生しました。そして、教会が最初に行なったことは、イエスについて語ることでした。
わたしは、平成から令和に代わる大型連休の最中の4月29日に、近くの修道院にミサに行き、そこで救急車を呼ばれ、搬送された先の病院で、脳梗塞と診断されずっと入院していました。昨日、外泊の許可が出てようやく修道院に戻ることができました。ひと月以上寝てばかりいたので、起きていると疲れを感じます。今年の聖母月は一歩も外に出ることがありませんでした。入院中にほんとうに多くの人たちのお祈りに支えられていたことを感じました。入院中に読んだあるお医者さんの本に、祈りについての文章がありました。「祈りってじつは届くんです。これはアメリカで行われた研究によって統計的にも証明されています。脳卒中や交通事故で意識をなくした人が意識を取り戻す確率、末期がんの人がより長く生きる確率、麻酔を使わずに痛みを訴えないでいられる確率、これらが何に比例しているかというのを調べたところ、それはなんと、「その人のために真剣に祈ってくれる肉親の数」に比例するという結果がでたのです。…本人のそばにいなくても、心の中で祈ってくれるひとがいることが安らぎや癒しをもたらす。祈りというのは、本当に届くものだということなんですね」わたしは、入院してすぐ、本当に多くの祈りの花束をいただきました。ありがたいことです。脳梗塞を4回もしてまたなんとか動くことができるのは、本当に運が良かったと言われました。何よりも多くの祈りのおかげだと思っています。これからは受けためぐみをお返しすることを考えて大切に生きていかなければと思っています。
今日の福音はイエスが弟子たちに聖霊を与える約束をされたときのことばですが、「わたしの掟を守りなさい」「わたしの言葉を守りなさい」と言われています。キリストの掟は愛のおきてです。イエスの言葉を、わたしたちはどれだけ聴いて自分の道しるべにしているでしょうか。前述のお医者さんが、「わたしの周りはみんないい人ばかりで、わたしはいま、本当に幸せに生きています」とおっしゃる患者さんがいます。でも、じーっと話を聞いていると、そういう人って、本人がとっても優しくていい人なんです。つまり自分の周りはみんな優しいって言う人の場合、ほかならぬその人自身が優しい、と言うことなんです。「いやあ、わたしの周りは本当に嫌な人ばかり」と言っている人というのは、その人がいちばん険しくて嫌な顔をして生きていることが多いのです。と書いていました。
教会には、険しい顔の人より、優しい人温かい顔の人がたくさんいてほしいです。
生きる!―あなたの代わりはどこにもいない
けん三(下田 憲)
富良野の赤ひげ先生「人生を豊かにする言葉45」