カトリック教会の典礼暦は、今日の灰の水曜日から復活祭前の準備期間「四旬節」に入ります。四旬節は、キリストが公生活に入る前に、荒れ野で40日間の断食をおこなったことを思い起こし、悔悛、祈り、断食、節制、施し、愛徳の実践を通して、キリストの復活の記念によりよい形で与る準備をする期間です。四旬節に入ると典礼もかわり、祭服は紫が使われ、主日のミサの栄光の賛歌がなくなり、アレルヤ唱は詠唱に代わります。昔からの信者さんの中には、四旬節中は「祭壇にお花は飾らない」と思っている人が多いかもしれません。しかし、昨年、日本の教会は、四旬節から復活節までの典礼を執り行う上で、あらためて徹底しなければならないことを発表し、「四旬節中には祭壇に花を飾ること」を勧め、灰の式については、「灰の式は、キリスト者が復活祭を迎えるために回心の歩みを始めることを四旬節の最初の日に示す式である。そのため、灰の水曜日以外の日に行うことは典礼上、勧められない」としています。ですから、日曜日のミサで灰をつけてもらい、四旬節に入ると思っていたらもう遅れた人なのですよ。
教皇フランシスコは、今年の四旬節メッセージのテーマを「被造物と人間の関係」にしています。その中で教皇は「わたしたちが神の子として生きないならば、わたしたちは隣人や他の被造物、さらに自分自身にたいして破壊的な態度をとり、人間のあり方、自然に対する尊重を侵してしまう」と述べ、すべての悪の根源である罪は、神や、人々、被造物との交わりを断ち切るものと指摘しています。
今日の福音は、イエスが当時の熱心なユダヤ人たちが行っていた、施し、祈り、断食について、人に見てもらうためにするものではないと見直しを迫っている箇所です。大切なことは、人にどう見られるかではなく、神さまにどう思われるかです。四旬節は、自分を見直すよいチャンスで、わたしたちにとって、「恵みの時」にならなければなりません。みなさん、良い祈りをしてください。もし断食するならダイエットのためではなく、それで浮いたお金を誰かのために使ってください。施しは神からすべてをただで受けたことを考え、所有欲からの解放につながると考えてください。
四旬節が、自分にとっても、社会にとっても、悔い改め、恵みの時となるために、みなさんは目標を定めてください。明日からではなく今日からです。行うことと、節制することの二つの点から実行しましょう。もっと神に近づくために、たとえば、一日5分でも真剣な祈りの時間を持つ。決まった信心業。霊的読書や聖書を読むなど。控えるほうでは、甘い者や嗜好品などをひかえる、テレビの時間やお酒をひかえるなど、何か自分のできることを考えてください。先ほどわたしは、四旬節は悔悛、祈り、断食…と文章を打っていたら、変換間違いで買春になっていました。わたしはいつも、別腹だとか言って、食べるほうの食い改めを得意としています。でも、四旬節はほんとうの悔い改めをしっかりやりたいと思っています。みなさんも頑張りましょう。 *(Ka)