今日2月11日はルルドの聖母の記念日です。この日は教皇ヨハネ・パウロ二世によって1993年から「世界病者の日」に定められました。病者が相応しい援助が受けられるように、また苦しんでいる人が苦しみの意味を受け止め、安らかな気持ちになれるように祈る日です。今年は第27回「世界病者の日」がインドのコルカタで今日開催されます。それに先立ち、教皇フランシスコは「ただで受けたのだから、ただで与えなさい」というメッセージを出しました。教皇はコルカタの聖マザー・テレサが言語や文化、民族、宗教の違いにかかわりなくすべての人に無償の愛を示したように、理解と優しさを求めている人々に手を差し伸べてくださいと勧めています。
今日はこのミサに病気の方も来られておられると思います。皆さんには、後ほど、「病者の秘跡」を授けますが、こうしてミサに出て来られる人は、一部です。この聖堂に来られない方たちのためにも祈りましょう。それから、わたしたちはみんな病んでいます。体の病、心の病、社会の病、・・・いろいろな意味で、わたしたちは病んでいます。病んでいる人類全体が、その「病」を乗り越えて行けるように、またその病の意味を知り、神の愛を深く知ることができるように祈りましょう。病人のために祈ることは大切なことです。ある教会では、各自が祈ってほしい病人の名前を紙に書き、「世界病者の日」のミサの時、それを祭壇に奉納しているようです。
わたしは、たくさんの病人のために祈りを頼まれます。それで忘れないようにスマホのメモ帳に名前を書き込んでいます。元気になって退院したり、亡くなったりするので、ときどき名前を足したり、消したりしています。わたしは、以前は人数が少なかったのですが、昨夜数えたら15人の名前が書いてありました。わたしは毎朝、『病人のために』まとめてロザリオを一環することにしています。これはもう10年くらい前から続いています。わたしは、自分が入院した体験から、病気の時は祈りたくても祈れないとわかっています。
今日はルルドの聖母の記念日です。写真家の菅井日人さんは『聖母マリアの奇跡』という写真集で、ルルドのページの冒頭に次のような文を書いています。『ルルドを一口で言うならば、ここは聖母マリアの優しさのマントでつつまれた聖地です。1858年2月11日、一人の貧しい羊飼いの少女のベルナデッタに出現。マリアの示した奇蹟の水によって、多くの病人たちが治されています。』。わたしはルルドには二回巡礼に行きました。良かったのは車いすで行った二回目でした。ルルドの祈り環境の中にいて、体そのものは癒されなくても、病気を受け入れる気持ちと、大きな心の平和をいただきました。わたしは、病人のためにする祈りは、そのひとの心に変化を与えてくれると思っています。イエスは「病気の時に見舞ってくれたことは、わたしにしてくれたこと」と言っています。お見舞いも大事です。福音書に中風の人を床ごとかついで行った人たちの話もあります。病人が動けない時に司祭に連絡すること、秘跡を受けられるよう配慮することも、とても大切なことです。自分が病気したとき、してもらうとうれしいと思うことを病人にもしてあげてください。 *(5)
聖母マリアの奇蹟 菅井日人