今日の福音は、イエスが2回目の受難の予告の後で、ガリラヤからエルサレムに向かっての旅に出ようとしたときの話です。イエスは、永遠の命を受け継ぐには何をすればいいのかと質問した人に、永遠の命に入りたいのなら、まず神の掟を守りなさい。さらにその人には「財産を貧しい人に施しなさい」と言いました。その人がお金持ちだったからです。神がわたしたち一人ひとりに求めていることはみな違います。わたしたちの世界では普通、どこかのメンバーや会員になるためには、なんらかの業績や資格、資金力が必要だったりします。永遠に命に入るためには、集めること手に入れることではなく、手放す覚悟が必要になってきます。今日の集会祈願には、「目先のものへの執着から解き放ってください」と言う言葉があります。イエスは財産や家族をもつことがいけないのではなく、それらのものに執着しないように教えています。良い人生は小さなことの積み重ねで成り立っていきます。積み重ねといっても罪を重ねるのではなく、小さな放棄、小さな犠牲や節制の積み重ねです。このような機会は日常生活の中にたくさんあります。

今月はロザリオの月です。今週のカトリック新聞にも載っていますが、教皇フランシスコは、10月の間、毎日ロザリオの祈りを唱え、神の母と大天使聖ミカエルに、教会を守ってくださいと祈るように勧めています。教皇は、教会を分裂させる悪魔の働きから教会が守られるよう、悪魔の攻撃や誘惑に対して非常に効果的とされる、大天使聖ミカエルへの祈りを唱えるように要請しています。今日、バチカンで列聖されるパウロ6世教皇は、「現代の教会にとって、第1の必要とは何でしょう?それは、悪魔と呼ばれている悪から守られることの必要であり、実に、これこそ第1の必要なのです。私たち自身のうちにも、私たちの住むこの世界にも、暗闇に包まれた敵意をもつ扇動者である悪魔がいて、罪は、この悪魔の干渉によってはじまり、完成されています」と述べています。キリストは、悪魔を、「この世のかしら」と呼び、パウロは、悪魔を「この世の神」と呼んでいます。ペトロは「目を覚ましていなさい、あなたがたの反対者、悪魔が、ほえたけるライオンのように、だれかを食い尽くそうと捜し回っています。信仰を固く守って、悪魔に抵抗しなさい。」といいます。ロザリオの祈りは、この世の支配者、悪霊、悪魔と戦うための武器になります。最近はロザリオを持っていても、唱えるキリスト者が減ってきていると思います。ロザリオの祈りは大人も子どもも、だれでも、歩きながらでも、バスを待っている時も、どこででも唱えることができます。一日の中でロザリオを唱えなかった時は、せめて寝ながら唱えてください。1連唱え、寝てしまってもかまいません。後の4連は守護の天使が唱えてくれるという、昔からの言い伝えがあります。自分の救霊のため、友人や身内のため、病人や亡くなった方々のためにロザリオを祈りましょう。教会共同体、福音宣教のためにもロザリオは大切です。 *(5)

 神の御母よ「Sub tuum praesidium」

神の御母よ、わたしたちはご保護を仰ぎます。いつ、どこでもわたしたちの祈りを聴き入れ、御助けをもってすべての危険から守ってください。アーメン。

 大天使聖ミカエルへの祈り

大天使聖ミカエル、悪との戦いにおいて、私たちを守り、凶悪な企みに打ち勝つことが出来ますように。神の命令によって悪魔が人々を害することが出来ないようにお願い致します。天軍の総帥、人々を惑わし、食いつくそうと探し回っているサタンと他の悪霊を神の力によって地獄に閉じ込めて下さい。アーメン。

カルメル修道会編『祈りの友』(出版:サンパウロ)より