今日は母の日です。お母さんたち、みなさんおめでとうございます。母の日は世界中で祝われますが、お祝いする日が国によって異なっています。お隣の韓国では5月8日が父母の日で、タイでは8月12日、この日はシリキット王妃の誕生日なのだそうです。アルゼンチンでは10月の第3日曜日、フランスでは5月の最後の日曜日です。でも5月にお祝いする国が一番多いみたいで、これは聖母月とも関係があるようです。

昨日、5月13日はファティマの聖母ご出現100周年の記念日でした。教皇フランシスコは、ファティマを訪問し、昨日、聖母の出現に立ち会った三人の子どものうちフランシスコとジャシンタの列聖式を行ないました。もうひとりの少女ルチアはカルメル会修道女になり2005年に97歳で亡くなっています。それで、昨日はカルメル会にとってもお祝い日だったので、わたしは伊達のカルメル会でお祝いのミサをしてきました。ポルトガルのファティマはフランスのルルドとともに大きな巡礼地です。ファティマでは、第1次世界大戦のさなかの1917年に、聖母が三人の羊飼いの子どもに5月から10月にかけて6回にわたって出現され、戦争が終わるよう、罪人の回心のために毎日ロザリオを祈るように言われました。聖母は最後の出現の時にわたしは「ロザリオの聖母です」と名乗っています。

今日の福音でイエスは「わたしは道であり、真理であり、命である」と言っています。教皇ヨハネ・パウロ2世は「おとめマリアのロザリオ」という使徒的書簡において、「ロザリオは、イエス・キリストは主であり、救い主であり「道であり、真理であり、いのち」であることをこの世に向かって宣言するものです」と述べています。ファティマの聖母はキリストの救いのわざが無駄にならないように、みんなが救われるために、ロザリオの祈りを唱えなさいと言われました。平和のために共同祈願を作りなさいなどと言われたらほとんどの人は困ります。ところがロザリオなら、難しく考えることではなく、子どもでも高齢者でも誰でもが唱えることができます。教皇レオ13世は「ロザリオは社会を害する悪と戦うための効果的な霊的武器である」と言っています。ロザリオは平和のための祈りです。ロザリオは祈る人の心を平和にします。ロザリオはまた家庭の祈りで、キリスト信者の家族の結びつきを強めてくれる祈りです。

今日の説教は福音から離れてしまい、ロザリオのことばかりになり申し訳ありません。前述の教皇ヨハネ・パウロ2世の「おとめマリアのロザリオ」の最後の章の言葉で結びます。『愛する兄弟・姉妹のみなさん、ロザリオの祈りは、これほど簡単なものでありながら、これほど内容豊かなものなのですから、キリスト者の共同体はこれを再発見してしかるべきです。・・・わたしは、あらゆる境遇にあるすべての兄弟・姉妹のみなさん、キリスト者の家族、病気の人やお年寄り、そして若者たちに申し上げます。信頼をもって、もう一度ロザリオを手にとってください。聖書の光の下で、典礼との調和のうちに、そしてみなさんの日々の生活の状況の中で、ロザリオを再発見してください。』  (ファティマの聖母ご出現100周年については、5月号の「カトリック生活」と「家庭の友」に特集記事が載っています)


使徒的書簡 おとめマリアのロザリオ
(カトリック中央協議会HP)