神の私への愛
- God’s love for me -No.5

病院生活一年は、大学生活三年に匹敵する」という人がいました。「それぞれの生涯学習」という記事のなかで述べておられる作家の遠藤周作氏です。
病院生活の経験がある人には、わかりやすい言葉ではないでしょうか。病気で休学や休職するはめになって、不幸を嘆いた人も、あとになって得難い経験をしたことに気づきます。その当座は、まわり道をしたように見えたことが、学校生活に勝る日々だったことに思い当るのです。神のはからいとか、摂理と呼ぶもの、神の助けがあるのです。

遠藤氏は、術後の痛みに、うめき声をあげているとき、看護師さんが手を握ってくれたことを書いておられました。その手は「あなたの痛いこと、わかっているわ」そう言っているようだったこと、また彼女が自分の痛みを半分引き受けてくれているような気持ちになって、次第にうめき声が出なくなった由です。
苦しむ人の手を握る「同伴者イエス」が、氏の小説のなかに登場するようになるのは、この時の経験によると書いておられました。

私にも似たような経験があります。だれにもあるのではありませんか。学校では決して学べないことがあり、あとになって必要な訓練だったことがわかることがあるのです。これが「神を愛する者たちには、万事が益となるように共に働くということを、私たちは知っています」とパウロの言っていることです。

心で味わうために
@ 今ふりかえってみて、恵みだったと思うことがありますか。
# 逆境の時に、人の優しさを感じた体験がありますか。
☆ 「同伴者イエス」に出会ったことがありますか。
★  感謝の気持ちを、よく言い表せましたか。

聖書の個所
ル  ツ  2:1-13 「心に触れる言葉をかけていただいて……」
ル  カ  5:12-16 「手を差し伸べてその人に触れ………」
ヘブライ  12:4-11 「主の鍛練を軽んじてはいけない」
フィレモン 1:8-20  パウロ、オネシモのために執り成す