みなさん主のご降誕おめでとうございます。先週の日曜日の夜、わたしは大好きなNHKの番組「ダーウィンが来た」を観ていたら、動物の赤ちゃんの特集でした。今年全国の動物園水族館生まれの「動物の赤ちゃん」特集でした。広島の動物園で生まれたマルミミゾウ、愛媛のマレーバク、岩手で生まれたピューマなどを動物園のスタッフが苦労して育て上げる番組でした。バクの赤ちゃんは白黒の母親とは模様が違っていました。マルミミゾウの赤ちゃんは生まれてすぐお母さんのおっぱいを飲もうと探しましたが、まだ背丈足りなくて、お母さんのおっぱいまで鼻が届がないのでしばらくは職員からミルクを飲ませてもらっていました。ゾウのおっぱいは犬や猫と違ってお腹ではなくなんと前脚のすぐ後ろについているそうです。わたしは先日あるお医者さんの書いた文章を読みました。人間の赤ちゃんは他の哺乳類、鹿、キリン、牛、馬などと違って生まれてすぐ立ち上がり、自ら母親の乳房を探し乳を飲むことができません。人間の赤ちゃんはあと一年、母親のお腹の中にいれば、生まれてすぐに歩けるのに、一年早く生まれるため全く無力で受身的な生活をするのです。ある学者はこのことを「一年間の生理的早産」と呼んでいます。この人間特有の「受け身の一年間」はとても大切で、この受け身の一年があるからこそ、人間が人間らしくなっていくのです。特に母親は母乳を与え、おむつを替え、抱き抱え、話しかけなどほんとうにこまめな世話をします。父親も育児の一端を担います。赤ちゃんが笑うようになり、話しかけに反応するようになると「いとおしさ」が強くなります。子どもは「自分の周りには自分のことを大切に扱ってくれる人がいる」という感覚を持つようになります。赤ちゃんは人間特有の「受け身の一年」の間に「基本的信頼」を獲得していきます。母親の精神状態が不安定で赤ちゃんに適切な配慮ができなかったり、虐待などがあったりすると、この「基本的信頼」は獲得されません。神さまが人間に受け身の一年を与えられたのは、人間が人から愛されることの原点を体験し、将来、人を愛することができるようになるためです。と書いていました。

 わたしはヨハネ3章16節の「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」という、ことばを思い出しました。これは神の愛とイエス・キリストによる救いを表す非常に有名な言葉です。

 クリスマスは、ケーキを食べて大騒ぎするだけではなく、神さまが人間の救いのために、その独り子をお与えくださったこと、世を愛してくださったことを記念する日です。わたしたちが小さい人、弱い赤ちゃんを大切にする心を持つことが、今のわたしたちに神さまが望んでいることだと思いました。*(O)

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