今日の福音は最後の晩さんの席でイエスが弟子たちに語る別れの説教の中の一節です。今日は5月5日の子どもの日で、ゴールデンウィークの後半の中日です。もう疲れてしまった人もいるかもしれませんね。5月1日は労働者聖ヨセフの記念日でした。この記念日は、1955年にピオ12世教皇によって定められました。イエスを育て、青年イエスと家庭生活を送ったナザレの大工ヨセフは、キリスト者に労働の尊さの模範を示しています。また五月は「聖母マリアの月」でもあります。自然界が冬の眠りから覚め、はじまった新しいいのちを象徴するような新緑や草花の輝き出す時期です。

 聖母マリアは天使ガブリエルのお告げによって自分に示された、人間の理解をはるかに超える新しいいのちへの計画のすばらしさを、だれよりも深く感じとり、その計画に神への深い信仰と謙遜さを持って同意し、その実現のために生涯を捧げられた方です。わたしは聖ヨセフも聖母マリアも、それから信者であるわたしたちも、イエスが弟子たちに「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」と言われたと同じように、わたしたちも神さまから選ばれたと感じています。自分が神さまと出会って洗礼を受けたことも、司祭の道を選んだことも自分が見つけた道ではなく、神様が先に選んでおいてくれたことだったと考えています。聖ヨセフも聖母マリアも、神さまにどうしてわたしたちがと、不服や不満を漏らすことなく、従いました。今日の福音には弟子たちに対して「互いに愛し合いなさい」という命令が入っています。この福音をわたしは結婚式のミサの時によく使いました。あなたがたが選んだのではなく、「神さまが結び合わせてくださったのだから、たがいに愛し合いなさい。」みなさん自分の洗礼や結婚の時を考えてみてください。それらは神さまが決めてあたえてくださったことだと思います。

 先日わたしは鈴木秀子シスターの「幸せは、1ミリずつ花開く」という本を買いました。その本の中にシスターがまだ幼い頃お母さんから一枚の刺繍のしおりをもらったことが書いてありました。それは裏側から見たらいろいろな色の糸が、めちゃくちゃにもつれあっていて何かわからなかったけど、それをひっくり返して表を見るとそこに飾り文字が刺繍されていて「神は愛である」と書かれていたそうです。わたしたちはいま起きている出来事をすべて裏側から見ています。わたしたちはいつの日か今と違う観点からそれを見て、いま起こっていることの意味を理解するに違いありません。苦しみの傍らにはかならず慰めがともにあります。嫌なことが起こった時は高いところに飛躍できるチャンスでもあります。と書いてありました。辛いことが多い、苦しいことが多すぎると思っていても今は裏から見ていて、本当はみんなお恵みなのかもしれません。イエスは「わたしはあなたがたを友と呼ぶ」と言われわたしたちとともに歩んでくださると言われました。互いに愛し合いましょう。*(O)


聖心会シスター鈴木秀子著(PHP研究所)
92歳シスターが伝える励ましの言葉
幸せは、1ミリずつ花開く

 

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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