降誕祭の後の最初の日曜日は聖家族の主日に決まっています。今年は大晦日に重なり、2023年の最後の日曜日になりました。
年末年始は、日頃離れて暮らす家族が集まり、あらためて家族の絆を確認する大切な時期です。幼子イエスは聖ヨセフと聖母マリアによって大切に育てられて成長していきました。幼子イエスがどのように育ったか詳しいことはわかりませんが、「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。」と書かれています。子どもは親を選べません。わたしは幼稚園の園長をしていた頃いつも親たちに、育児は自分を育てる育自が大切です。子どもが立派になって欲しければ、自分を磨いてください、と話していました。幼子イエスが立派な人間になれたのは、育った家庭が素晴らしかったからです。聖家族の日にわたしは皆さんに考えてもらいたいです。自分の子どもや孫に自分の信仰はうまく伝わりましたか?クリスマスやお正月は信者の家族はみんな揃って教会にお祈りに来て欲しいです。
先週12月24日(日)、降誕祭の深夜ミサをとり行われた教皇は、25日(月)正午、聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーからクリスマスのメッセージを述べると共に、ローマと全世界に教皇祝福をおくられました。この中で、ガザ地区での軍事衝突やウクライナ情勢の平和的な解決を訴えるとともに、「世界中で紛争に直面している人たちに思いをはせ、寄り添おう」と呼びかけました。さらに、「戦争に『ノー』と言うことは、兵器に『ノー』と言うことだ。兵器の生産や販売が増加しているときに、どうして平和について語ることができるのか」とも述べ、世界中の軍事産業が紛争を激化させていると指摘し、規制が必要だという認識を示しました。またその前の24日の深夜ミサでは、教皇は説教を通し、人々をベツレヘムにおける主の降誕の場面にいざないつつ、今日の聖地の情勢を思い、平和の君イエスへの祈りを新たにされました。
人間は愚かで弱い存在です。いつも神さまはどう思われるか、自分の親類ならどう思うかと考えてみることは必要です。自分は神の家族の一員だと考えることは大切です。神さまを考えることでより大きな見方ができ、自分中心の行いが減っていくと思います。教皇フランシスコがいつも大きな見方ができるのは、まず父なる神はどう考えるだろうかと考えるからだと思います。何かの決定をするとき、マリアさまや聖ヨセフならどうするかと考えることも大切です。
わたしは、今日の福音に出てくるシメオンさんを、ヨボヨボの老人に勝手にイメージしていました。そして彼はもう「おしめオン」さんかな?と考えて、吹き出してしまったことがあります。「これでわたしはいつ死んでもいいです。」というシメオンのことばは、教会の祈りの寝る前の讃歌に使われています。
わたしたちは今年一年を振り返って、「もう何も思い残すことはありません。本当にありがとうございました。」という気持ちでミサにあずかっていきましょう。*(O)
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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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