三位一体の主日の後はキリストの聖体の主日になります。先週の日曜日のミサが終わってすぐに、わたしは次の聖体の主日の説教を考え始めました。6月5日の月曜日はドイツの使徒、聖ボニファチオの記念日でした。今から30年くらい前、わたしはその日にドイツのフルダに行っておりました。フルダは聖ボニファチオのお墓があるところで、フランシスコ会のフルダ管区の本部修道院のある都市です。その年は6月5日が聖体の主日でした。その日、わたしは大聖堂から始まる聖体行列に参加することができました。フルダの街を挙げての盛大な行事で、ご聖体の通過する通りには、お花のカーペットや通りの家々には飾りつけがされていて、日本のお祭りのような盛り上がりでした。教会の力と伝統の重さを感じました。

いまわたしは身体が不自由になり、介護付き老人ホームに入所しています。時間がたくさんあっても、自由に出歩くことも、行きたい所に行く自由もありません。ですから聖堂のご聖体の前で祈ることも出来ません。ご聖体のことを考えていたら、むかしわたしが五条教会にいたころ聖歌隊が、モーツァルト作曲のアヴェ・ヴェールム・ゴルプスを歌っていたことを思い出しました。30年も前のことで、まだ古い聖堂の時でした。その頃の聖歌隊は毎週週日の夜に練習の日がありました。歯医者の小池先生が指揮者でした。ラテン語の歌や難しい曲にも挑戦していました。決してそんなに上手くはなかったけど、わたしはアヴェ・ヴェールム・コルプスが大好きでした。

この歌はラテン語の聖体讃歌ですが、日本語訳では

[めでたし、まことのお体(からだ)よ 乙女マリアより、生まれたもう 人びとのための身代わりで十字架の上、まことの苦しみ受け取られ つらぬかれた、そのわきばらから血と水を流したまいしその方よ 我らの逝(ゆ)きし、その時をそれより前に、おしえ給え]

となります。

皆さん、ご聖体訪問と聖堂のご聖体の前で静かに祈ることを大切にしてください。キリストは皆さんに語り掛けたくて聖堂で待っておられます。
今日の福音は先週の三位一体の主日の福音の続きのような内容です。先週は「神はこの世を愛し、わたしたち人間を愛し、ご自分の命に与るよう招いておられる。そのために愛する独り子、イエスをお遣わしになった。それはイエスを信じる者が、みな永遠の命に至るためであった」というような内容でした。今日はその続きのような内容です。神さまはすべての人をご自分のいのちに招き、ご自分のしあわせに与らせたいと望んでいます。イエスは「わたしは天から降ってきた生きたパンです。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。このパンを食べるものは永遠に生きる」(ヨハネ6.58)と言われます。わたしは先日、新型コロナのワクチンの6回目の接種を受けました。新型コロナはワクチンを一回受けたから安心ということはありません。ご聖体は何回受けたら有効で永遠の命に入れるのかはっきりしていません。ただわかるのはいつもキリストと結ばれている人は、キリストと御父がひとつのように、永遠の命に結ばれているということです。ご聖体の信仰は、わたしたちの永遠のいのちに関わる大切な信仰です。キリストとの交わりを大切にして、ご聖体に対する信仰を深めていきましょう。*(5)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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