今日の福音は有名な放蕩息子の話で、罪人が立ち帰ることがテーマになっています。集会祈願には「あなたはご自分に立ち帰るすべての者を迎え入れてくださいます」という言葉があります。悪かったと思うなら救いがありますが、自分は正しいと思っているなら改めようがありません。

ロシアがウクライナに侵攻してもう一ヶ月以上経ちました。今年の四旬節は3月2日から始まりました。その前からわたしは戦争だけはどうしてもあってはならないと祈っていましたが、ロシアはウクライナに侵攻してしまいました。教皇様は事あるごとに、祈りの大切さと平和について話してこられました。今年の四旬節はウクライナのために祈ることで終わってしまいそうです。

今日の福音は、反省して父のもとに帰ってくる者を受け入れてくれる話です。わたしはロシアのプーチン大統領が回心しますようにと祈ったことがありません。もっと簡単に、遠慮なく、「プーチンが早く死にますように」と祈っています。またテレビでプーチン大統領が出ていると気分が悪いのでチャンネルを変えてしまいます。教皇様や教会はもっと人聞きのいい言葉で祈ります。世界中が戦争はやっちゃいけないと思っているのに、戦争に突き進んでしまい、たくさんの命が失われ、悲しみと苦しみと破壊が溢れています。こんな世の中から悪魔を追い出してもらわなければなりません。わたしたちにできることは祈ることです。

先日のニュースで、プーチン大統領はモスクワで開かれたクリミア合併8周年を記念する集会で、聖書を引用して現在進行中のウクライナ侵攻を正当化して、「友のために命を与えるほど大きな愛はない」との言葉を演説で話していました。こうなると本当に厚かましいというか腹が立ちます。

イエスの周りには徴税人や罪人が集まりました。少なくとも少しは、後ろめたい気持ちのある人たちでした。悪かったと思うならまだ救いはあります。

先日の教皇一般謁見の時(3月23日)、教皇は戦争の犠牲者を思い起こし、「疎開する人、逃げる人、亡くなった人、負傷した人、戦死した多くの双方の兵士たち・・・これらはすべて死のニュースです。いのちの主に、戦争の死からの解放を祈りましょう。」と語り「主が聖霊をおくり、戦争は人類の敗北であり、むしろ戦争自体に打ち勝つことが必要だと。わたしたちに理解させてくださるように」と願いました。みなさん、祈りはわたしたちができる、ウクライナへの最大の援助、そして神さまが喜んでくれることだと考えましょう。

プーチン大統領が悪い人だと思うなら、自分だって、反省できない悪人だと考えましょう。自分の目にある丸太を取り除くことが難しいですね。最近のニューズウィーク誌に、ロシアのウクライナ侵攻が日本の大国偏重ぶりも浮き彫りにしているという記事がありました。ミャンマーのクーデターをはじめとする他の国際ニュースは影を潜め、反戦の対象もロシア一辺倒となっている。大国の情勢には敏感な人々も、身近なアジアの国々の問題にはアンテナが鈍るようだ。と指摘していました。

ロシアだけでなく自分の無反省と無神経な生活にこそ目を向けましょう。 *(K)

 

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