今日は2017年の大晦日です。教会は降誕祭の後の最初の主日を聖家族の祝日と定め、今日はナザレの聖家族について思い巡らすようわたしたちを招いています。バチカンの教皇庁典礼秘跡省というお役所は、この日は「神の家族を意識しながら、互いのきずなを深める」ために家族全員が一緒にミサに参加し、子どもの祝福、婚約式、結婚の約束の更新を行うことがふさわしいと勧めています。(「民間信心と典礼」の指針)

今日、皆さんは1年間の感謝の気持ちでこのミサに参加している方が多いと思いますが、神さまから与えられた自分の家族のことも考えましょう。誰にも家族がいてその中で多くの恵みを受けてきました。先週、わたしは年賀状書きで忙しく過ごしました。昨年の年賀はがきを見ていたら、すでに亡くなった方もあり、どの人も時間の中にいて、家族があって、仕事があって、最後は神さまところに帰っていくと思いました。家庭のことを考えると、子どもは親を選べないので、親がどんな家庭を作るかはとても大切です。子ども時代にたくさんの愛を受けて育った人は、自分も良い家庭を作り、社会にも貢献します。逆に子ども時代に愛情薄く育ったなら、大人になっても何か心に傷を残していると思います。親がいて家庭があって、今の自分があることを感謝しましょう。

今日の福音はマリアとヨセフが、初めて生まれる男子は皆、主に捧げるというモーセの律法に敬けんに従い、幼子をつれてエルサレムの神殿にお参りし、幼子を奉献した話です。教皇フランシスコは4前年の聖家族の祝日に、家族の中で平和と喜びのうちに生きるための三つの秘訣となることばを指摘しました。それは、「すみません」、「ありがとう」、「ごめんなさい」です。家族の中で、勝手に振舞わずに「すみません」といい、利己的にならずに「ありがとう」といい、間違ったことをしたことを認めて「ごめんなさい」というとき、そのような家族のうちには平和と喜びがあります。でも、わたしたちはすみませんという前に、誰々が悪かった。あの人のせいだと思い、あたり前と思っているので感謝ができません。また、ごめんなさいと頭を下げることにはプライドが邪魔したりします。

イエス・マリア・ヨセフの聖家族の生活が実際どうだったかは、聖書からは詳しくはわかりません。幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていたとルカは書いています。わたしたちは、さまざまな理由により平和、調和、ゆるしが欠落している家庭環境にある人たちに、人間としての温かみをもたらされますように、また、病気、失業、差別など、困難な状況にあるすべての家庭のために祈りましょう。

わたしは、昨日が命日だった、渡辺和子シスターの日めくりカレンダー「ほんとうに大切なこと」を使っています。31日の言葉は、丁寧に愛をこめて一度きりの道を歩いてゆこうでした。そして解説は、「人生は旅で、つらい日も苦しい日もあります。ときに自分が歩いてきた道を振り返り、今までよりももう少し優しく、相手を思いやりながら、この旅を続けてゆきましょう。」でした。いい言葉だと思いました。