先週の「王であるキリスト」が典礼暦の最後の主日でした。今日からは典礼暦の新しい一年が始まります。今月は死者の月でした。そして典礼では神の国の完成の時、キリストの再臨がテーマになっていました。待降節も前半の第2週まではキリストの再臨がテーマになっています。「典礼暦年と典礼暦に関する一般原則」という規則書には、待降節は神の子の第一の来臨(降誕祭)を準備する期間と同時に、終末におけるキリストの第二の来臨にも心を向ける期間」と書かれています。
聖エフレムという聖人は、キリストがご自分の再臨の時をはっきり示されなかったのは、わたしたちが目覚め、各自が自分の生涯のうちにその時が来ると思うようにするためです。と言っています。今日の福音の結びの言葉は、「だから、あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来る」です。人生の終わりもそうですが、その時がはっきりと分からないと不安で、心配です。でも、緊張して生きるのではなく、ゆったり、おおらかに生活して、なおかつよい死の準備ができる生き方をしたいものです。
11月の最初の日曜日にわたしは説教の中で、『11月は死者の月なので、わたしは死者からシシャモを連想して、毎年11月には、日高の鵡川町までシシャモを買いに行っていた』と話したら、先日、ある方が「神父さん、鵡川にはエルメスのシシャモがあった」と教えてくれました。どうしてエルメスなのかと思ったら、これは「Lサイズのメス」のことだそうです。昨日、わたしは、上智大学元学長のヨゼフ・ピタウ神父の本を見ていたら、「人間関係をより良くする三つのL」という文章を見つけました。それでLの話をします。ピタウ神父によれば、一つめのLは、人のいいところを見る「L」で、このLはLOOKだそうです。二つめは、人を思いやり大切にする「L」で、小さな自分の殻から脱皮し、広く世界や他者に目を向けるLOVEだそうです。三つ目は、人々の心を明るくする「L」でLAUGH笑い、微笑みだそうです。これらの三つを口ぐせにして人々と接していけば、多くの人たちと良い人間関係を築くことができるでしょう。と書かれていました。人々のいいところを見るLOOK、人を思いやり大切にするLOVE,人々の心を明るくするLAUGH,分かりやすくていい話ですね。
少し脱線して、昨日、雑学の本で読んだ話(浦島太郎のおとぎ話で、彼が助けた亀はオスかメスか?→答えはメス、海亀のオスは陸に上がらない、メスだけが産卵のため上陸する)
わたしたちはいつキリストの再臨があるか、自分の人生の終わりが来るか分かりません。だからいつも目を覚まして用意していなければなりません。先日発売になった年末ジャンボ宝くじなら、まず当たりませんが、自分の死は絶対確実なことです。
今日の福音の「目を覚ましていなさい」は「醒めた目で自分を見直しなさい」ということです。いつもあたりまえと思って感謝していない。まだ大丈夫だと思って物事を先伸ばしにしている。神様や永遠の命より今の生活と楽しみを優先する。こういった生活態度や考え方を、「醒めた目、第三者の視点で見直すこと」も大切だと思います。