今日の聖書のことばは感謝がテーマです。福音では、重い皮膚病を癒された10人のうち、イエスに感謝するために戻ってきたのは一人のサマリア人だけでした。他の9人は神を賛美するために、イエスのところには戻ってきませんでした。わたしたちも日々の生活の中で、神様にお願いする祈りをたくさんしていても、感謝の祈り、お礼の祈りはあまりしていないことが多いと思います。

毎週金曜日に、わたしは大町教会でミサと勉強会をしています。最近の勉強会では、典礼について、ミサやご聖体についての勉強をしています。一昨日の7日は初金曜日でロザリオの聖母の記念日でした。わたしは、大町教会では初めての試みとして、午後1時から1時間かけて聖体賛美式をしました。ご聖体を顕示してから30分は沈黙のうちに各自で祈り、後半はみんなでロザリオの祈りをしました。その式のあとで何人もの人が、初めての体験だったがとても感動したと感想を述べてくれました。きっとご聖体のうちにおられるキリストとの深い交わりの時を持てたからだと思いました。教皇ヨハネ・パウロ2世は「教会にいのちを与える聖体」という回勅の中で、聖体礼拝の実践を奨励し「ミサ以外の場での聖体礼拝は、教会生活にとってはかりしれない価値を持つ」と述べています。イエスは「求めなさい。そうすれば与えられる」と言われました。祈り求めることによって、その人に聖霊が働いてくれます。そうすると、わたしたちは物事をもっと別の角度から見ることができるようになります。苦しみが無くならなくても、苦しみでなくなることがあります。不満や不足の中にも、感謝を見出すことができるかもしれません。どんなこともキリストのところへ持っていくなら変えられます。重荷はもっと軽くなり、喜びはもっと大きな感謝に変えられ、自分にとって大切だったことが、無意味なものに変えられたりします。教皇フランシスコの使徒的勧告「喜びの福音」に、イエスのメッセージは喜びのみなもと。復活なしの四旬節を生きているような信者でも、神との出会いによって、信仰の喜びを呼び覚ますことができる。と書かれています。

わたしは今日の福音の最後にある「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った」という言葉が好きです。みなさんの生活の中で、不安、心配、ぼやき、嘆きなどより、喜びや感謝のほうが多いなら、しあわせな信仰生活だと思います。たくさん祈りイエスと出会い、喜びや平安を持つ信者さんがふえていってほしいと願っています。

今月はロザリオの月です。パウロ6世の「マリアーリス・クルトゥス―聖母マリアへの信心」という使徒的勧告に、家族の皆が一緒になって祈るときには、ロザリオが頻繁に、しかも喜んで唱えられるように心から願っているという言葉があります。家庭の中で、家族揃って、親子で、夫婦で、ロザリオの祈りを唱えることができないか考えてみてください。ロザリオは聖母とともにキリストを観想しキリストについていく祈りです。ロザリオは教会の宝、恵の宝庫です。