帰 属 意 識
-Sense of Belonging-
昔、マザーテレサの講演がありました。修道女連盟主催の講演会が聖心女子大学であった時のことです。シスターたちが講堂に集まっていました。私は、男子修練者を連れて、こっそり入れてもらいました。幸いにも、聖心会に知り合いがいましたので、2階の隅から眺めて、聴いていました。
聖テレサは、センスのこと、感覚のことを言いました。「センス オブ ビロンギング」(Sense of Belonging)。通訳者はこれを「帰属意識」と言いました。「センス」は、感覚、感じのことです。「感じ」、「カン」です。「考える」ではなくて、「感じ」るのです、「センス」です。
結ばれている“感じ”ありますか、親しい“感じ”ありますか?“所属”しているところありますか? うちの家、うちの親、母校、うちのチーム、うちの教会、ありますね!「帰属意識」(センス オブ ビロンギング)ありますね?
ニューヨークに滞在していた時に、週末黙想会案内を見ました。ニューヨークの小さな教会で「ウイークエンド・リトリート」、週末黙想会をしていました。それで帰国後に桐生修道院でウイークエンド・リトリートを企画しました。参加者にはメディテーションをしてもらいました。講話ではなくて、一人ひとり、自分の歩みを、私に「物語る」形でしていました。そして、み言葉、聖書の個所を提案して、「味わう」ように勧めました。「帰属意識」の確認でもあります。そして、「心に納めて思いめぐらす」お祈りをするのです。「こう祈ったらどうか!」の始まりでした。
「富士山ヨ、三千雄!」。母の一言は「東海道線の“汽車”から見た時に響きました。富士山は、青空の中に白い姿を浮かべていました。5歳の男の子が、始めておぼえた感覚は、後年の「畏敬の念」につながりました、偉大な存在に出会うきっかけにもなりました。畏敬の念を覚える所を教えてください。
場所と言葉、出会いと出来事でお祈りしましょう。雪を頂いた旭岳を目にするときに、母の「富士山ヨ、三千雄!」を思い出します。
聖心会の黙想の家が、富士山の見える裾野市にありました。美しい姿を、仰ぎ観て、歩いて、味わいました。旭岳を見る時にも、思い巡らしたいのです。