先週5月18日の日曜日に、新教皇レオ14世の就任ミサがバチカンで行われました。米国人として初めてローマ教皇となったレオ14世は、就任ミサで貧困層の搾取を非難し、教会の結束を訴えました。教皇はまた、「憎しみ、暴力、偏見などによって引き起こされる傷があまりにも多い」「世界の連帯や友愛の小さなパン種となりたい」と述べ、立場や宗教の違いを超えた人々の連帯や、戦闘が続くウクライナやパレスチナ自治区ガザなどでの平和実現を訴えました。新しい教皇がレオ14世と名乗ったことについて、上智大学神学部の菅原教授は、「20世紀の初めにかけて教皇だったレオ13世は、教会内の人々だけでなく、社会に向かって倫理的な規範を示した功績で知られていて、新しい教皇も、さまざまなことを世界に語りかけていく人になるのではないか」と述べました。

 そのうえでレオ14世に期待することについては「世界には戦争や内乱、前教皇も取り組んだ環境問題など、問題は山積している。新しい教皇には、平和が成り立つように呼びかけするだけでなく、犠牲になっている貧しい人たちに寄り添ってもらいたい。そして争いが起きている場所で平和に向けて活動を続けた前教皇の姿勢を引き継いでもらいたい」と述べていました。先日、トルコが仲介してウクライナとロシアの話し合いがありましたが停戦は実現せず、20日の朝、ウクライナ情勢をめぐり、米露の首脳が電話会談を行いましたが、即時停戦に向けた進展はありませんでした。ウクライナの和平についてプーチンとトランプの二人とものらりくらりしていて、平和を作り出そうとしていたようには思えませんでした。世界中の戦いや紛争は、この世の支配者である悪魔が人の心を操っているからです。悪霊に対しては、聖霊に対処してもらうしか方法がありません。わたしたちは、神の力で本当の平和がもたらされるように祈りましょう。今日の福音は聖霊降臨がニ週間後なので、イエスの聖霊についての言及があります。イエスは弁護者である聖霊が「あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。わたしは平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える」と言われました。神の働きでもたらされる平和は本物の平和です。プーチンとトランプが作り出そうとしている平和は、人々の悲惨な状態をなくすためではなく、自分たちの得する状態で戦いを終わらせようとしているだけです。トランプは戦争をすぐ終わらせてみせると大口を叩いていましたが、上手くいかなければ、自分は手をひいて、あとはローマ教皇がなんとかしてくれるかもしれないと言っています。ローマ教皇はいつも苦しんでいる人、弱い立場の人の見方側に立って考えます。ウクライナやパレスチナのガサ地区の惨状を頭において、レオ14世は就任式のミサで、「自然の搾取と貧困層の疎外」をやめるよう呼び掛け、教皇としての方向性を示しました。また就任式のミサの後半のアレルヤの祈りの講話で、教皇は、「信仰と交わりの喜びのうちにも、戦争に苦しむ兄弟姉妹を忘れてはならない」と話し、飢餓に直面するガザの子どもたちや、家族、高齢者、無実の若い人々のいのちが絶たれているミャンマー、正当で永続する平和のための和平交渉の実現を待つウクライナに思いを向けられました。教皇の願うような世界が実現するためにわたしたちカトリック信者は「聖霊来てください。わたしたちの教会と世界を導いてください」と真剣に祈りましょう。そしてなによりもまず自分の周りに不和や分裂がないかを考えてみましょう。*(5)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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