今日の福音はイエスの最初の奇跡について書いています。ヨハネ福音書は奇跡を「しるし」と呼んでいます。このイエスの最初の「しるし」はガリラヤのカナで行われました。カナはナザレから15キロ以内にありマリアの親戚や知り合いもいたと思われます。結婚式にはイエスとまた何人かの弟子たちも一緒に行っていたようです。このお祝いの中にいたマリアは、いち早く「ぶどう酒が足りなくなる」ことに気づきました。この時マリアが召使いたちに言った言葉が、福音書に書かれているマリアの最後のことばです。「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」(5節)これは召使いたちだけでなく、キリストに従うすべての人に言っていることばです。召使いたちは、イエスが「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われるとそれに従い、かめの縁まで水を満たしました。イエスが「さあそれをくんで宴会の世話役のところに持って行きなさい」と言われた(ヨハネ2.7-8)。その水がめは2ないし3メトレテス入りの大きさでした。それが六つもありました。イエスは大量の水を良いぶどう酒に変える最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現され、弟子たちはイエスを信じたのです。イエスの最初のしるしはロザリオの祈りの「光の神秘」でも黙想しますが、わたしはマリアが細かいところまでよく気がつく方だったことを嬉しく思います。聖母マリアは、今日でもわたしたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と語りかけています。わたしは聖母がこまやかな点までよく気がつく人だったことで、河野進という牧師さんの「ぞうきん」という詩集にあった『上中下』という詩を思い出しました。
「言われてもしないのは下の下 言われてするのは下 黙っていてもするのは中 気づかなくてもするのは上 そっとして気づかせないのは 上の上 眠っている赤ちゃんの おむつをかえる お母さんのように」
カナの結婚式で新郎新婦に恥をかかせないで、みんなに喜びを与えてくれたのは聖母のこまやかな心遣いだったのです。「イエスが何か言ったらそのとおりにしてください」だけでなく、聖書が何か言っているなら、教会が何か言っているなら、そのとおりにできるように素直な心を持つことも必要ですね。(昔「ゲゲゲの女房」という朝ドラがありましたね。その頃わたしは自分が「下の下のオヤジ」だと思っていました。)もうひとつ、いらないことですが、大きなかめが今日の聖書にでてきました。ところで、浦島太郎が助けた亀はオスかメスか?分かりますか?答えはメスでした。オスは陸に上がることがなく、メスは産卵のため陸に上がっていたからです。*(O)
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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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