教皇さまは昨年の灰の水曜日のミサの説教で、「今や、恵みの時、今こそ、救いの日”(2コリント6.2)という聖パウロの言葉に助けられつつ、四旬節の精神の中に入っていくように愛を招かれました。教皇は、四旬節は、本質に立ち返り、余計なものを脱ぎ捨て、神と和解し、聖霊の火を掻き立てる時と話されました。わたしたちは「心からわたしに立ち帰れ」と言われる神の言葉に耳を傾け、神と兄弟たちのもとに立ち返るよう呼ばれていると話されました。

 今年の灰の水曜日は2月14日で、わたしの洗礼名と修道名の記念日と重なりました。その日わたしはたくさんのお祝いの手紙やメールをもらいました。またたくさんの祈りのプレゼントもいただきました。それで、バレンチノの名前をもらって、洗礼を受けるまでのことを考えました。わたしは高校2年生の時、1964年の9月に初めてカトリック教会に行きました。翌年の2月14日に美唄教会出身の人の結婚式が札幌の月寒教会であるので行かないかいと誘いを受け、朝、ニコラオ神父さまの車に載せてもらい札幌に向かいました。ところが大雪のため教会の敷地内で車が雪に埋まり、札幌に着いたときには結婚式はもう終わっていました。帰り道は神父さまは札幌に用事があって、学生たちは汽車で美唄まで帰りました。その汽車の中で「山本君は洗礼を受けないのかい?」と聞かれたのがきっかけで、洗礼を受けることを考えました。その年の復活祭に洗礼を受けましたが、洗礼名を考えた時、洗礼を受けようと思った日の聖人の名前をもらってバレンチノにしました。その次の年1966年の6月に、教会の図書室から「小さき花」というリジューの聖テレジアの自叙伝を借りて読んでいて、その影響だと思うのですが、「司祭になりたい」という召命を感じ、その翌年、1967年の4月に大学を中退してフランシスコ会の小神学校に入れてもらいました。そして1976年7月18日に司祭叙階を受けました。洗礼を受けてから11年で司祭になれました。神学校に行く前に、カルメル会修道院にお祈りを頼みに行ったので、それ以来カルメル会修道院とは仲良くさせてもらっています。今年のバレンタインデーにたくさんの手紙やお祝いの祈りのプレゼントなどをもらい、カルメル会修道院からもクッキーをいただきました。その中にあるシスターからの手紙が入っていました。「わたしは神父様に、月形の修道院に入会のため送って頂いてから45年を迎えようとしております‥‥聖テレーズは天国からバラの雨を降り注いてくださいます。バレンチノ神父様の聖テレーズに対する愛が、わたしのためにもバラの雨を降らせてくださっていると確信しています。」と書かれていました。今年は司祭叙階から48年になるので、シスターの入会の日に修道院に送って行ったことがあったことも思い出しました。今年はバレンチノの名前で洗礼を受けてから69年になりました。長いこと神父をやっていて、さっぱり成長しない姿に神さまは腹を立てていると思います。今年こそ、「今こそ救いの時、めぐみの日」の気持ちで良い四旬節を過ごしたいと思っています。*(O)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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