今日、2月11日は1852年にフランスのルルドで無原罪の聖母がベルナベッタに現れた記念日です。教皇聖ヨハネ・パウロ2世は1993年にルルドの聖母の記念日に当たる2月11日を「世界病者の日」と定めました。ことしの「第32回世界病者の日」教皇メッセージは「人が独りでいることはよくない」という内容です。世の初めから、愛である神は人間を交わりのために創造されました。わたしたちの生は、人とのつながり、友情、相互愛の躍動の中で十全に実現されるべく招かれています。人間はこの交わりの中に招かれた存在なのに、捨て置かれて孤独になることはたいへん苦しいことです。近年はパンデミックの下で面会も制限され孤独を味わわされる人がいます。家族に看取られることなく、死を迎えるたくさんの人がいます。教皇はキリスト者こそイエスのいつくしみ深いまなざしを自分のものにしてほしいのです。と言っています。

今日の福音はイエスが重い皮膚病を患っていた人に手を差し伸べてその人を癒した話です。

今日の聖書と典礼の最後のページに「世界病者の日」に問われることという文章があります。そこには日本では1996年に「らい予防法」が廃止されるまで、国の恥とされたハンセン病患者を隠すことが目的とされた隔離が行われていたと書かれていました。わたしはこの文章を読んですぐ以前に調べたことのある井深八重さんのことを思い出しました。この方は女学校の英語の先生でしたが、らい病と診察され、カトリックの神山復生病院に入れられます。数年後に精密検査の結果、ハンセン病でないことが分かりましたか、そこで献身的に働いていたフランス人レゼー神父の姿を見て、自分もそこで一生働く決心をします。最初は医者になろうと考えましたが時間がかかるので、看護婦になる学校に行き、91歳で亡くなるまで、そこの病院で働きました。パソコンやスマホを使える人は、ぜひ井深八重さんを検索してみてください。わたしは感動して涙が出てしまいました。彼女は1961年に赤十字国際委員会から、看護婦の最高栄誉である「フローレンス・ナイチンゲール記章」が授与されています。

今日は病気の人のことを考え、わたしたちがイエスのいつくしみのまなざしを持つことができるように考える日です。わたしたちが神様のところに帰るまでには、みんな病気や入院という道をたどります。わたしはたくさんの人から病気のために祈りを頼まれています。亡くなってからではなく、生きている今祈りが必要です。聖アンセルモは、ある人自身のため存命中捧げられた唯一のミサは、同じ意図で死後に捧げられる1000回のミサよりも価値があると言っています。みんなが神様と出会い喜びと安心のうちに旅立つことができるように、まだ元気なわたしたちがしっかりお祈りしましょう。今日はこの後、希望者に病者の秘跡を授けます。わたしたちが神さまに呼ばれる時、何かの都合でこの秘跡を受けられない可能性もありますから、受ける機会があるならば大切にしてほしいと思います。*(5)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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