今日の聖書と典礼の表の年間第3主日の下に(神のことばの主日)と印刷されています。神のことばの主日は、教皇フランシスコが2019年9月30日に、自発教令を通し、典礼暦に新しく制定した主日です。教皇の自発教令「アペルイット・イリス」(彼らに開いた、の意)は、復活後のイエスが弟子たちに現れ、昇天の前に、「聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いた」というルカ福音書の記述(ルカ24.45)から採られています。教皇は2019年、帰天1600年を迎えた聖ヒエロニモ(ヒエロニムス)の祝日、9月30日に「聖書を知らぬことは、キリストを知らぬこと」という言葉を引用して、みことばに捧げた日曜日が、神の民に聖書に対する宗教的で熱心な親しみを育むことを願われました。聖ヒエロニモ(ヒエロニモス)は「教会が長い間使っていた「ブルガタ訳」と呼ばれるラテン語訳聖書の翻訳者として知られている教会博士(347頃-420)です。彼はベトレヘムで亡くなっていて、聖地の御降誕教会の傍に、カトリックの聖ヒエロニモに捧げられた聖堂があります。わたしは聖地巡礼の時、聖地にはカトリック教会ではない典礼の教会もたくさんあり、御降誕教会もカトリックでは無かったので、ゴテゴテした飾り付けの聖堂にうんざりしていました。そして、聖ヒエロニモ教会のお御堂に入って、ようやく見慣れていて落ち着くカトリックの聖堂になっていて嬉しかったことを覚えています。聖地のゲッセマニやナザレトの教会はフランシスコ会が管理している教会でした。

今日の福音はマルコ福音書で、イエスがガリラヤに行き、神の福音をのべ伝えて「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われて宣教を始めたことを伝えています。イエスはガリラヤ湖の辺りでシモンとアンデレを弟子として召し出されます。イエスは福音を述べ伝える業を、最初から共同体の交わりの中で始めたことがわかります。イエスはご自分の福音を述べ伝える使命を教会という共同体に委ねます。教会はイエスの死後もさまざまな変遷を経て現在も存続しています。しかし、現実にはキリストの教会は一つでは無く分裂しています。いま1月18日〜26日はキリスト教一致祈祷週間にあたっています。わたしたちカトリック教会は、神のことばである聖書と共に、使徒たちから伝えられた「信仰の遺産」である聖伝も大切にしています。このキリスト教の一致を考える期間に、教皇はもう一度、神のことばである聖書を知っているかどうか考えてください。と呼びかけているのです。「聖書を知らぬことは、キリストを知らぬことである」と聖ヒエロニモも言っています。*(O)

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〇 山本 孝神父ミサ説教 〇
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